心身症の治療

心療内科では、主に扱う病状の一つとして心身症が挙げられます。心身症とは、精神状態の変化によって体にも何らかの症状として現れてしまう事を指して言います。例えば、ストレスが溜まると緊張状態によって胃に痛みが走ることがあります。これは、緊張状態が続くことで交感神経によって血液の流れが変化し、胃液から胃を守る粘膜の働きが鈍り、胃液の持つ消化機能によって痛みが現れるのです。このストレスによる胃の痛みが恒常的に続いてしまうと、胃潰瘍や胃癌などの問題にも関わってくる事になります。他にも、ストレスは体の免疫細胞の働きも抑制させてしまうため、胃に潜んでいるピロリ菌に対抗できず、胃の炎症などを引き起こす原因ともなるのです。精神と体は密接に繋がっているため、不調を起こしている体だけを治療したとしても、原因となる心の問題をきちんとケアしていなければ、ふたたびストレスによって病が再発してしまうことでしょう。心療内科では、病の原因となるストレスの問題にアプローチすることで、体に不調を起こさせる問題を根本から治療します。誰しも心に抱える精神的な問題を、テストやプロファイルから本人に何が問題であるかを自覚させ、丁寧なカウンセリングで治療における道筋を固めていきます。こうした心療内科での治療において重要なのが、本人に病を自覚させることです。多くの人が、自分の精神状態をよく理解しないまま、大したことはないだろうと思い込んでしまうことで、病状をさらに悪化させてしまうのです。自分が何らかの疾患を抱えていると自覚することで、自分自身を冷静に見ることができるため、精神状態を安定化させることができます。その上でストレスの根本となる問題に向けて少しずつ対処を行うことで、きちんとした目的意識をもって治療に臨むことができるのです。

心療内科では、ストレスを抱える本人だけではなく、ストレスを与える周囲の状況をも含めた状況に対しても総合的に判断し、治療へのアプローチを行ないます。人は周囲に環境によって大きく影響を受けるものです。確固たる意志を持って生きている自覚があると言う人でも、周囲から頻繁に心を傷つけられる出来事に遭遇すれば、重いストレスにより鬱などの症状を引き起こす恐れもあるでしょう。心療内科では、カウンセリングによって患者さん本人を取り巻く状況を分析し、どの点で強いストレスを受けているかを見出します。心身症は、ストレスが引き金となって引き起こされる病です。心療内科では、患者さんの内面以外にも、患者さんが置かれた状況からも総合的に評価し、どの点を解消することでストレスから開放されるかを患者さん自身に自覚させてくれます。